前提
作った本がどういうものかは勘弁してください。
1・かんたんな流れ
流れとしては
エディタで文書を作る→判型に合せてワープロソフトで整形→PDF形式で保存→印刷
家のプリンターで印刷するならワープロソフトの形式で保存でも多分行けると思う。
今回印刷屋さんにお願いする関係で、PDFで保存した。
2・テキストエディタで文章を作る。
これに関しては使い慣れたエディタで行ける。
KonaLunuxにデフォルトで入ってるLeafpadもそうだし、Geanyでも。
すごい点としては、
・縦書きもできるし横書きもできるし血判状みたいな表示もできるし、一行目を右から、二行目は左から文字を並べるというのもの(牛耕式というそうな)もできる
・アウトライン・プロセッサ的な使い方も可能。しかも保存はtxtなので、他のエディタでも(一応)開ける。
・エディタと言っておきながら、余白などの指定ができてPDF出力が可能。なのできちんと設定すれば出力したものを印刷屋さんに持ち込める。
・クロスプラットフォームなので、Windowsでも同じ使い勝手のものが揃う。
と言ったあたり。
特にクロスプラットホーム大事。WindowsでもLinuxでも同じソフトが同じように使えるというのはとても大事。
結構便利だしPDF出力はできるけれど、あくまでもエディタなので、多分次のことはできない
・ワープロソフト的に一部だけ文字を大きくしたり、一部だけフォントを変えたりとか、太字にしたり
・一つのデータで横書き・縦書きの混在
・ワードアート的なやつ
縦書き・横書きの混在に関しては、横書きのページを別に作って出力するなどすれば多分行ける。一応もう少し色々できるらしいんだが、今回そこまで触る余裕がなかったので、あくまでも「縦書きできる高性能なエディタ」として使用。余裕があれば出力部分も含めて触りたいなあと。
3・ワープロソフト
文章を作ったら、ワープロソフトで整形するなど。
同人誌の作り方の説明を見てると、文章系に関しては「word」か「Adobe InDesign」で、LibreOfficeやWPSで制作するには的なノウハウって少なかったです。
インデザさん高いもん。月額で借りるにしてもちょっとだけ薄い本作りたい人には高いもん。
Windows専用だし。
一応Linuxに限って言えば、ワープロソフトは2択かと。
・LibreofficeWriter
(10・12
別エントリでまとめてみました)
KonaLinuxだとデフォルトでインストールされてる、オフィスソフト。
独自の使い勝手だが、慣れればそこそこいけるし、諸事情によりLinux使うならこっち使っとけとなる。
印刷所などで配布しているword用テンプレートは読み込めるが、Libreoffice形式で保存すると、テキストボックス関係は崩れる。文章設定なども崩れることがある。
最大の注意点としては、源ノ明朝を縦書き設定で使うと、文章が大惨事となる。
以下、「走れメロス」(底本:青空文庫、一部改行と文字入力あり)を
縦書きにしたものがこちら。
源ノ明朝、良いフォントなんだけど、使わないほうが無難。他のフォントも一部アウトなものが。
また、「源瑛こぶり明朝」という、縦書き小説向けのとても良いフォントも、何故か行間がものすごく開く。
(10・12修正 再確認したところ、開きませんでした。あとで説明するWPSWriterとごっちゃにしてたようです)
設定関係が面倒に感じるなら、IPAex明朝でいいんじゃないかな。
exついてるのは自分でインストールしないといけないけど、IPA明朝ならデフォルトで入ってるし。TAKAO明朝?個人的にあまり好きじゃないので。
出力に関しては、PDF形式で出力ができる上に、PDF/X-1aでも出力可能。
印刷屋さんにお願いする場合、「PDF/X-1a」にしておいたほうが文章の崩れなどが防げる、とのこと。
・WPSWriter
(10・12追記
別エントリで細かいことまとめました)
Windows的に言うならKingsoftOffice、日本でもWPSになってましたねそういえば。
自分でインストールしなければならないが、word互換性トップクラス。
出力はPDF形式(1.7)で、印刷屋さんにそのまま出しても多分大丈夫だが、念の為確認したほうが無難。
個人的には使いやすいとは思っているものの、同人的に致命的な弱点も。
・wordの説明をそのまま応用できない(WPSだから)
・一部フォントで行間がおかしくなる。これに関しては「段落」の設定を「倍」にして、「間隔」を0.9ぐらいに設定すれば多分なんとかなった。
・半角英数字を縦にする「縦中横」機能がない(Libreofficeにはある)
縦中横に関しては、該当部分にテキストボックスを埋め込む方法があるが、縦書きの9ptぐらいのフォントの大きさだと、明らかにその部分だけ浮く。LibreOfficeなどの「縦中横」も、その行だけ微妙に幅を取るが、一応なんとかなる。しかしテキストボックス埋め込みは、明らかに違和感が出るので、微妙な調整が苦手ならやめたほうがいいと自分は思いました。
その他の問題点としては、PDF出力したものをセブンイレブンでプリントすると、
フォントによっては大惨事となる。
Libreofficeは文字変換がおかしくなってたが、こっちは文字が崩れる。
走れメロスで再現しようとしたら、一見普通のようで微妙な崩れ具合。
おそらくはベースとになった「源ノ明朝」との相性が、全般的に悪いのかもしれない。
自宅のプリンターで印刷したところ問題なかったので、源ノ明朝系列を使いたい場合は、一度プリンターで印刷してから、コンビニコピーを利用すればいいのかもしれないが、そうなると今度は両面印刷が面倒になるのか。
結論的なやつ
・半角英数字が文章内に存在せず、家でプリントアウトできる環境があるならWPSが使いやすい。
・WPSでPDF出力したものをセブンイレブンでプリントアウトするなら、フォントはIPA明朝で。源ノ明朝系は崩れる可能性あり。
・印刷屋さんに出す予定なら、PDF/X-1aで保存できるLibreofficeで。
・LibreofficeでPDF/X-1a出力するなら、源瑛こぶり明朝使ってセブンイレブンのプリントも大丈夫かもしれない(未確認)
4・画像関係
絵が書けないので、薄いイラストブック的な本に関してはよくわかりません。
フォトショとかは当然使えないので、次の環境で頑張ることになるんじゃないかなあと。
・Azpainter
コピー本ならこちらでも大丈夫だと思う。ペンタブ使えるし軽いし。
ただし印刷所に出す際に求められる、フォトショで保存する形式(PSD形式)はできない。
Windows版は開発終了していて形式が古い関係で、Linux側で独自形式で保存した場合、Windows版では開けないので要注意(やらかした)
・GIMP
フォトショクラスの使い勝手でしたっけ?素人なのでよくわかりませんが。
フリー素材を表紙の大きさに合わせて拡大・縮小し、文字を入れるのにものすごく役立ちました。PDFでも保存できるし、PSDでも保存できるのもとても助かった。
ただし、デフォルトの文字入力が使いづらく、縦書き非対応だったので、
「TATEGAKI」というプラグインをぜひぜひ。ものすごく便利でした。
Windowsでも同じものが使えるが、あっちはバージョンが上がってた関係で、少し互換性が消えてたり、画面周りがLinux版と違ってたり。
・MyPaint
ユニークなブラシがたくさんあるので、適当に遊んでたら抽象的なものができるよ!…それを表紙に使いました。
ただし貧弱なPCだととても重い。フリーズする。Windowsでも同じものが使えるが、やはりフリーズする。
画像関係だとRGBやCMYKとかって話もあったが、Linux環境だとRGBオンリーらしいので、特に気にせずそのまま作業してました。色味が変わるらしいですが、よくわかりませんでした。
一応こんなかんじでも、印刷屋さんに出した原稿が、問題なく無事出来上がったので、印刷屋さんはすごいと思いました。本当に。
おまけ、使わなかったり使えなかったりしたもの
Wine利用しての起動。アウトライン・プロセッサ。txtで保存すると、たまにツリーが重複する(内容は消えない)
結局TATEditorでアウトライン・プロセッサ的なことはできたので、少しつかってやめた。
Windowsで使うには良いソフトでした。
エディタで書いたテキストを流し込んで、タグをつけてPDFに出力するもの。
使い方さえ分かればすごい便利で、古のHTML手打ちの気分が味わえる。
挿絵の挿入可能。タグうちで一部フォント変更・太字などは可能。だがワープロではないので出来ないことも。
WineでWin8またはWin10設定にすれば起動出来たが、出力ができなかったのでお蔵入り。
ウェブ版でだいたいのことは出来るので、Linuxならこちらを。
…いつか衣沙を使って薄い本作りたいなあ。薄い本作る予定ないけど。
役に立つかわからないし、必要な情報がまったくないものですが、半分ぐらい自分用のメモ代わりの、Linuxで同人誌作ったよって話でした。
本当に必要なのは「ワープロソフトにおける、行間や余白・文字数とかの設定」なのは理解してるし、自分もそれを探し求めてたんだが、結局印刷所のテンプレートなどを活用したので、そこら辺わからないまま終わってしまったんで済まない。
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